たんぱく質不足で気分が落ち込む⁉

気持ちや感情の変化には、神経伝達物質と呼ばれるたんぱく質が大きく関わっています。
気分を安定させる神経伝達物質の例には、セロトニンやノルアドレナリンがあります。
うつ状態になると、これらの物質が不足していることがよくあります。
また、セロトニンから作られる「メラトニン」や、ノルアドレナリンの材料となる「ドーパミン」も、
感情の安定や意欲に関わっているため、これらが足りなくなると気分が安定しにくくなるのです。

  • セロトニン不足:気分の落ち込みや憂うつ感
  • メラトニン不足:睡眠の質の低下や不眠
  • ドーパミン不足:意欲や気力の低下
  • ノルアドレナリン不足:不安感が強まり、行動力も低下

たんぱく質は体にとってなくてはならない栄養素です。
日々の食事から摂るたんぱく質は、胃や腸で分解されてアミノ酸に変わり、体内に吸収されます。
そして、アミノ酸からは神経伝達物質やホルモン、酵素などが作られ、体の働きを支えています。
これらの物質が不足すると心のバランスが崩れやすくなるため、気分が落ち込みやすくなることがあります。

たんぱく質不足が「うつ」と関係する理由

たんぱく質が不足すると、アミノ酸であるフェニルアラニンやトリプトファンが足りなくなり、
それに伴いセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンも不足してしまいます。
そのため、食事からしっかりとたんぱく質を摂ることが心の健康にも大切なのです。

多くの方が「ちゃんと栄養を摂っていますか?」と聞かれると「野菜も食べています」と答えますが、
「野菜=栄養」だけでは体に必要な全ての栄養が十分に補えません。
野菜に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維は体の機能を整えるサポートをする役割がありますが、
体の構成そのものを作るのは主にたんぱく質や脂質、炭水化物です。

「栄養」というと野菜が頭に浮かびやすい理由の一つに、カロリーが気になるという意識があるのかもしれません。
肉や魚はたんぱく質が豊富ですが、同時に脂肪やカロリーも多いと考えられがちです。
そのため、肉や魚を避け野菜中心の食生活になり、結果的にたんぱく質が不足してしまうこともあります。

たんぱく質は体の基盤

体内の約60兆個の細胞は、全てたんぱく質からできており、
たんぱく質の合成と分解が絶え間なく行われています。
日々、私たちの体は入れ替わっているようなもので、
たとえば、皮膚は約3か月で3回、筋肉は約2回、骨も約3〜5%が新しくなり、
血液も4か月で完全に新しくなります。

こうして新しく作り変えられる体の材料となるたんぱく質が不足すると、
体は筋肉を分解してアミノ酸を作り出し、重要な生命維持に使おうとします。
しかし、これが続くと筋肉量が減り、体力やスタミナが落ち、疲れやすさを感じやすくなります。
また、免疫力が低下して風邪や感染症にかかりやすくなったり、貧血、記憶力・思考力の低下、
さらには気分の落ち込みや不安症状も引き起こしやすくなるのです。

健康維持に必要なたんぱく質量と効果的な摂り方

たんぱく質は、体重60kgの方で1日約180g分が体内で分解され、その分だけを補う必要があります。
目安としては体重1kgあたり1〜1.5gほどとされていますが、
最新の研究では体重1kgあたり3〜4g必要とする考え方も出てきています。
たんぱく質の多い食材といえば、肉や魚ですが、日本人は欧米人に比べてたんぱく質の摂取量が少ないため、
目標摂取量を満たすのが難しい場合もあります。
手軽に取り入れやすいたんぱく源としてプロテインもおすすめです。

肉や魚などの食事に加えてプロテインを摂取すると、2〜4週間ほどで気分が安定したり、
活力が湧いてくると感じられることがあるでしょう。
たんぱく質は、私たちの体だけでなく、こころにも優しい栄養素です。
健康な体と心を維持するために、日々の食事でのたんぱく質を意識してみてください。

投稿者プロフィール

坂野拓也
坂野拓也平岸カイロプラクティック院長
当整体院の代表を務める坂野です。私はこの整体院を通じて、地域社会の健康と幸福に貢献することを目指しています。私自身、長年にわたる施術経験と、カイロプラクティックと東洋医学の統合的アプローチに基づき、多くの患者さんの痛みや不調を改善してきました。
札幌市生まれ札幌育ち
・2008年4月日本カイロプラクティックドクター専門学院 札幌校卒業
・元カイロ学院の直営店 藻岩店 院長
・元カイロプラクティック専門学院 講師
・ディファーシファイドテクニック課程 修了
・アクチベーターテクニック課程 修了
・2016年4月豊平区に 平岸カイロプラクティック 開院
・2017年12月PAAC SOT ベーシック課程 修了。